京都の寺・嵐山・嵯峨野
天龍寺ガイド

天龍寺は、かつて敵対した後醍醐天皇の菩提を弔うため、足利尊氏が1339年に創建した禅寺である。寺が建つ前、この一帯には嵯峨天皇の皇后ゆかりの寺や上皇の御所があった。嵐山を借景とする曹源池庭園は、そうした土地の歴史を受け継ぐ風景である。
キョウチカの見立て
嵐電嵐山駅側から入り、曹源池庭園を中心に眺め、諸堂の公開状況に合わせて大方丈や書院を訪ねるとよい。庭園のみなら45分〜1時間、諸堂や雲龍図も含めるなら1〜1時間半程度を見込む。参拝後は亀山公園、渡月橋へ歩けば、天龍寺のかつての広い寺域を実感できる。
拝観・行き方
- 拝観・開館時間
- 庭園8:30〜17:00(受付終了16:50)。諸堂8:30〜16:45(受付終了16:30)。法堂雲龍図の公開日9:00〜16:30(受付終了16:20)
- 料金
- 庭園:高校生以上500円、小・中学生300円、未就学児無料。諸堂は庭園拝観料に300円追加。法堂雲龍図は別途500円
- 予約
- 駐車場は予約不可、先着順
- 行き方
- 嵐電嵐山駅下車すぐ。JR嵯峨嵐山駅から徒歩13分、阪急嵐山駅から徒歩15分
- 住所
- 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68
- 最寄り駅
- 嵐山駅
2026-10-28に公式の案内で確かめた内容。変わることがあるので、行く前に公式ページで確かめて。
出典:天龍寺公式・参拝交通案内、天龍寺公式・雲龍図公開案内、京都府観光連盟公式・天龍寺、天龍寺・位置情報
足利尊氏は、なぜ後醍醐天皇のために寺を建てたのか?
天龍寺が創建されたのは1339年。開基は室町幕府を開いた足利尊氏、開山は禅僧の夢窓疎石である。建立の目的は後醍醐天皇の菩提を弔うことだった。尊氏と後醍醐天皇は政治的に対立したが、寺の創建によって亡き天皇を供養することになった。その舞台に選ばれたのが、嵯峨の地にあった上皇の御所の跡地である。
大寺院を造営するには莫大な費用が必要だった。尊氏や光厳上皇が荘園を寄進したものの、十分な資金を確保できなかった。そこで尊氏の弟・足利直義は夢窓疎石と相談し、元寇以来途絶えていた中国との貿易を再開して、その利益を造営費に充てることを計画した。仏教寺院の建設と海外貿易が結びついた歴史は、天龍寺の大きな特徴である。
寺の中心的な見どころは曹源池庭園である。禅寺の庭としての構成を持ちながら、背後の嵐山を景色に取り込み、庭の内と外を結びつけている。寺の歴史を知ると、池の向こうの山も単なる背景ではなくなる。かつて嵐山や渡月橋、亀山公園の一帯まで境内地だったという事実が、その広がりを物語る。だから曹源池の水面だけでなく、池の向こうに連なる嵐山を見てほしい。
昔、このあたりは何だった?
天龍寺の土地には、室町時代よりさらに古い歴史がある。平安時代、嵯峨天皇の皇后で檀林皇后と呼ばれた橘嘉智子が、この地に檀林寺という禅寺を開いた。その寺が廃絶した後、後嵯峨上皇が仙洞御所を造営し、さらに亀山上皇も仮の御所を営んだ。つまりここは、皇室の信仰と生活の場を経て、禅寺へと変わった土地なのである。
1339年、その御所の跡地に足利尊氏が天龍寺を創建した。当時の寺域は現在より広く、嵐山、渡月橋、西側の亀山公園などもかつては境内地に含まれていた。今日の観光客には寺と渡月橋が別々の名所に見えるが、歴史的には一つの大きな景観の中でつながっている。境内の曹源池と背後の山並みは、かつての広大な寺域を想像する手がかりになる。だから曹源池を歩くときは、寺の塀の向こうに続く亀山と嵐山を見てほしい。
出典:天龍寺公式・沿革と歴史
意外と知られていない見どころ
- 法堂の雲龍図
- 1997年、日本画家・加山又造が描いた天井画。見る位置を変えても龍の視線が追ってくるように感じる「八方睨み」の龍である。
- 雲龍図の杉板
- 天井には厚さ3センチの杉板159枚を張り合わせ、漆と白土を施している。直径9メートルの二重円相の中に龍が描かれた。
- 鈴木松年の雲龍図
- 現在の天井画以前には、明治期の画家・鈴木松年による雲龍図があった。損傷した原画の一部が保存されている。
- 曹源池庭園
- 寺の背後にある嵐山の山並みを庭の景観に取り込んでいる。池だけを見るより、建物から遠景までを一つの構図として眺めたい。
- 多宝殿
- 庭園とは別に諸堂参拝で訪ねる建物の一つ。大方丈や書院と合わせ、庭だけでは分からない禅寺の空間構成を体感できる。
出典:天龍寺公式・雲龍図のご案内、天龍寺公式・歴史、天龍寺公式・参拝案内
季節の見どころ
- 春
- 2026年3月1日〜5月31日は法堂雲龍図の春季特別公開期間
- 夏
- 法堂雲龍図は夏の特別参拝期間にも公開日が設けられる
- 秋
- 2026年9月19日〜12月6日は法堂雲龍図の秋季特別公開期間。11月14日〜30日は曹源池庭園の早朝参拝が7:30から行われる
- 冬
- 2月には保存されている鈴木松年筆の雲龍図の一部を大方丈で一般公開する案内がある
行く前に知っておくこと
- 庭園、諸堂、法堂雲龍図は拝観区分と料金が異なる。
- 諸堂は寺の行事などにより公開休止日がある。2026年10月29日、30日にも一部時間帯の休止が案内されている。
- 法堂雲龍図は原則として土曜・日曜・祝日公開で、春秋などに毎日公開期間がある。2026年10月28日は終日休止、29日も終日休止、30日は12:45ごろまで休止と案内されている。
- 法堂雲龍図は台風や高温などによって公開を停止する場合がある。
近くでいまやっている催し
よくある質問
- 天龍寺はどんな所?
- 天龍寺は、かつて敵対した後醍醐天皇の菩提を弔うため、足利尊氏が1339年に創建した禅寺である。寺が建つ前、この一帯には嵯峨天皇の皇后ゆかりの寺や上皇の御所があった。嵐山を借景とする曹源池庭園は、そうした土地の歴史を受け継ぐ風景である。
- 天龍寺の拝観・開館時間は?
- 庭園8:30〜17:00(受付終了16:50)。諸堂8:30〜16:45(受付終了16:30)。法堂雲龍図の公開日9:00〜16:30(受付終了16:20)
- 天龍寺の料金は?
- 庭園:高校生以上500円、小・中学生300円、未就学児無料。諸堂は庭園拝観料に300円追加。法堂雲龍図は別途500円
- 天龍寺の予約は?
- 駐車場は予約不可、先着順
- 天龍寺の行き方は?
- 嵐電嵐山駅下車すぐ。JR嵯峨嵐山駅から徒歩13分、阪急嵐山駅から徒歩15分


