京都の神社・嵐山・嵯峨野
野宮神社ガイド

嵯峨野の竹林の入口に建つ野宮神社は、かつて伊勢神宮に仕える斎王が出発前に身を清めた場所である。樹皮を残した黒木鳥居と小柴垣が古代の祭祀の姿を伝え、『源氏物語』の「賢木」の巻にも登場する。今は良縁や子宝安産を願う神社として知られる。
キョウチカの見立て
竹林の小径から黒木鳥居をくぐり、本殿、野宮大黒天、お亀石へ進むとよい。境内は20〜30分程度を目安とし、竹林や天龍寺の散策と合わせるのがおすすめである。『源氏物語』の野宮の場面を知ってから訪れると、場所の印象が変わる。
拝観・行き方
- 拝観・開館時間
- 9:00〜17:00、受付終了16:30
- 料金
- 境内参拝無料
- 行き方
- 嵐電「嵐山」駅から徒歩約10分。JR「嵯峨嵐山」駅から徒歩約10分
- 住所
- 京都府京都市右京区嵯峨野宮町1
- 最寄り駅
- 嵐山駅
2026-10-28に公式の案内で確かめた内容。変わることがあるので、行く前に公式ページで確かめて。
出典:野宮神社 公式サイト、野宮神社の由来、野宮神社 行事案内、京都市公式 京都観光Navi 野宮神社
伊勢へ向かう皇女は、なぜ嵯峨野の森で暮らしたのか?
平安時代、天皇の代理として伊勢神宮に仕える未婚の皇女や女王は斎王と呼ばれた。斎王に選ばれると、伊勢へ向かう前に清らかな場所で身を慎み、祭祀に備えた。その場所が野宮である。野宮は天皇の代替わりごとに選ばれ、嵯峨野の現在地が使われたのは嵯峨天皇の皇女・仁子内親王のときが最初と伝えられる。
『源氏物語』の「賢木」の巻では、六条御息所が娘の斎宮に付き添うため野宮に滞在し、光源氏が別れを惜しんで訪れる場面が描かれる。黒木鳥居や小柴垣に囲まれた秋の野宮は、恋と別れの舞台となった。この物語は後に謡曲『野宮』にも受け継がれ、嵯峨野の風景と文学を結びつけた。
斎王制度は後醍醐天皇の時代、南北朝の戦乱を経て廃絶した。野宮はその後も神社として存続したが、時代の混乱の中で衰退する。後奈良天皇や中御門天皇らの時代には保護を命じる綸旨が出され、信仰が守られた。現在も本殿には天照大神を祀っている。だから竹林から境内に入るときは、黒木鳥居と小柴垣の古い形式を見てほしい。
昔、このあたりは何だった?
現在の嵯峨野は竹林と観光の町として知られるが、平安時代には皇族や貴族の別荘、寺院、祭祀の場所が点在していた。野宮はその一つであり、斎王が伊勢神宮へ向かう前に心身を清めるための特別な空間だった。周囲の小柴垣は俗世との境界を示し、森や竹に囲まれた土地そのものが神聖な場所として扱われた。
斎王制度が失われた後も、野宮の記憶は『源氏物語』や謡曲『野宮』によって伝えられた。竹林を抜ければ天龍寺や嵐山へつながり、現在は観光の散策路となっているが、その道は文学や宮廷祭祀を訪ねる道でもある。だから嵯峨野を歩くときは、竹林の写真だけでなく野宮神社の黒木鳥居と境内を囲む垣根を見てほしい。
意外と知られていない見どころ
- 黒木鳥居
- クヌギの樹皮を剥がさずに使う古い形式の鳥居。平安時代の野宮の祭祀空間を伝える象徴である。
- 小柴垣
- クロモジの木を使った垣根。黒木鳥居とともに神聖な区域を囲む古い形式を受け継いでいる。
- 神石お亀石
- 野宮大黒天のそばにある亀の姿に似た石。なでながら願うと願いが成就すると伝わる。
- 野宮大黒天
- 良縁結婚を願う神として祀られる。伊勢の斎王に関わる神社が縁結びの信仰も集めていることを示す。
- 白福稲荷大明神
- 子宝安産や商売繁盛の神として祀られる境内社。本殿以外にも異なる願いを受け止める社が並ぶ。
季節の見どころ
- 春
- 嵯峨祭が行われる。2026年の神幸祭は5月17日、還幸祭は5月24日と公式案内にある。
- 夏
- 6月30日に夏越大祓を行う。
- 秋
- 斎宮行列が行われる季節。公式行事案内には2025年10月19日の開催記録がある。
- 冬
- 1月1日に歳旦祭、2月3日に節分祭が行われる。
行く前に知っておくこと
- 黒木鳥居は樹皮を残した木材で造られた古い形式の鳥居である。
- 本殿に祀られるのは天照大神で、境内には縁結びや子宝安産の神も祀られている。
- 神石お亀石は野宮大黒天の近くにある。
- 斎宮行列の実施日は年ごとに確認する必要がある。
近くでいまやっている催し
よくある質問
- 野宮神社はどんな所?
- 嵯峨野の竹林の入口に建つ野宮神社は、かつて伊勢神宮に仕える斎王が出発前に身を清めた場所である。樹皮を残した黒木鳥居と小柴垣が古代の祭祀の姿を伝え、『源氏物語』の「賢木」の巻にも登場する。今は良縁や子宝安産を願う神社として知られる。
- 野宮神社の拝観・開館時間は?
- 9:00〜17:00、受付終了16:30
- 野宮神社の料金は?
- 境内参拝無料
- 野宮神社の行き方は?
- 嵐電「嵐山」駅から徒歩約10分。JR「嵯峨嵐山」駅から徒歩約10分


