京都の名所・四条・河原町
錦市場ガイド

錦市場は、なぜ京都の中心部で魚市場として栄えたのか。答えの一つは地下水である。1615年に江戸幕府が公認した魚問屋の市場は、豊かな水を利用して食材を扱い、今も「京の台所」として知られる。画家・伊藤若冲が生まれた青物問屋の町でもある。
キョウチカの見立て
烏丸側から東へ歩き、食品店の品ぞろえや若冲ゆかりの場所を見ながら寺町通まで進むと、市場の広がりが分かりやすい。散策と買い物を合わせて45分〜1時間ほど、近くの寺町・新京極商店街も組み合わせるとよい。
拝観・行き方
- 行き方
- 阪急烏丸駅から徒歩約5分。地下鉄四条駅から徒歩約7分。市バス四条河原町または四条高倉から徒歩約5分
- 住所
- 京都府京都市中京区錦小路通寺町〜高倉間
- 最寄り駅
- 烏丸駅
2026-10-28に公式の案内で確かめた内容。変わることがあるので、行く前に公式ページで確かめて。
出典:京都錦市場商店街公式、京都市公式・京都錦市場商店街、京都市公式・修学旅行ナビ・錦市場、京都市公式・京なびオンライン
錦市場は、なぜこの場所にできたのか?
錦市場の発展には、この土地に湧く質のよい地下水が大きく関わっている。市場組合の公式案内によれば、正式な記録はないものの、平安時代にはすでにこの付近に市が立っていたと推測されている。水を利用して魚などの生鮮食品を扱うのに適した場所だったためだ。現在の錦市場の原形は、こうした水と商いの関係から生まれた。
1615年、江戸幕府は京都に三店魚問屋を公認した。上の店、錦の店、六条の店の三つであり、このうち錦の店が現在の錦市場につながる。本格的な魚市場として発展した錦小路には、鮮魚だけでなく野菜や加工食品を扱う店も集まった。現在は寺町通から高倉通まで東西約400メートルに130軒余りの店が連なる。
さらに錦市場は、日本画家・伊藤若冲と深い関係を持つ。若冲はこの市場の青物問屋に生まれ、作品には大根や蕪、蓮根など野菜や果実がたびたび登場する。市場には若冲の絵を使った装飾や、生家跡を示すモニュメントもある。食材を売るだけではない、京都の美術史を生んだ場所でもあるのだ。だから錦市場を歩くときは、店頭の野菜と若冲の絵を見比べてほしい。
昔、このあたりは何だった?
錦小路の歴史は市場の成立より古い。市場組合の案内によれば、平安時代には御所へ出入りする際に具足を外す場所だったことから「具足小路」と呼ばれたという。その後、名前がなまったのか「糞小路」と呼ばれた時代もあり、後に錦小路となった。現在の華やかな市場名からは想像しにくい地名の変遷である。
1615年に幕府公認の魚問屋市場となった後、錦市場は京都の食を支える流通の場になった。料亭や割烹だけでなく、家庭料理のおばんざいに使われる食材も集まった。現在は食品の小売りに加えて観光客向けの商品や飲食の店も増えているが、京都の料理文化との関係は続いている。アーケードの下には、かつて魚問屋が並んだ通りの記憶が重なっている。だから市場を歩くときは、土産物だけでなく京野菜や鮮魚を扱う店先を見てほしい。
意外と知られていない見どころ
- 伊藤若冲の生家跡
- 錦市場の青物問屋に生まれた日本画家・伊藤若冲。市場の西の入口付近には生家跡を示すモニュメントがある。
- 若冲の絵の装飾
- 市場のシャッターなどに若冲の絵が使われている。作品に描かれた野菜と現代の市場の商品を見比べる楽しみがある。
- 地下水と魚市場
- 市場が発展した理由の一つは良質な地下水。江戸初期に魚問屋が公認される以前から、水の恵みがこの土地の商いを支えた。
- 錦市場のアーケード
- 赤・黄・緑の色彩が特徴。通りは東西約390メートルにわたり、雨の日にも歩きやすい市場の景観をつくっている。
- 祇園祭とのつながり
- 錦市場は祇園祭の神輿渡御にも関わる地域。観光客向けの食品街だけでなく、京都の祭礼文化を支える町でもある。
季節の見どころ
- 春
- 季節の野菜や魚など、京料理に使われる旬の食材が店頭に並ぶ
- 夏
- 7月の祇園祭では錦市場も神輿渡御の伝統に関わる
- 秋
- 旬の京野菜や魚介類など、秋の料理に使われる食材を探せる
- 冬
- 冬の京料理や家庭料理に使われる旬の食材が店頭に並ぶ
行く前に知っておくこと
- 錦市場では食べながら歩くことは禁止されている。買った店の前や店内の指定スペースで食べること。
- 市場全体の統一営業時間はなく、店ごとに営業日と時間が異なる。
- 通りは狭く買い物客も多いため、立ち止まって通行を妨げないよう注意する。
- 京都市公式の観光案内では、店舗ごとの情報を確認するよう案内している。
近くでいまやっている催し
11/4(水)〜1/13(水) 火〜金11:00〜19:00、土日祝11:00〜18:00
ロッテルダムのStudio SpassとTeam Thursdayによるグラフィックデザイン展。
くわしく見る →
よくある質問
- 錦市場はどんな所?
- 錦市場は、なぜ京都の中心部で魚市場として栄えたのか。答えの一つは地下水である。1615年に江戸幕府が公認した魚問屋の市場は、豊かな水を利用して食材を扱い、今も「京の台所」として知られる。画家・伊藤若冲が生まれた青物問屋の町でもある。
- 錦市場の行き方は?
- 阪急烏丸駅から徒歩約5分。地下鉄四条駅から徒歩約7分。市バス四条河原町または四条高倉から徒歩約5分
