京都の寺・岡崎・左京
永観堂(禅林寺)ガイド

紅葉の名所として知られる永観堂は、正面を向かず左後ろを振り返る『みかえり阿弥陀』を本尊とする寺である。正式名称は聖衆来迎山無量寿院禅林寺。平安時代に真言密教の寺として始まり、念仏を広めた永観律師の名によって永観堂と呼ばれるようになった。
キョウチカの見立て
阿弥陀堂でみかえり阿弥陀を拝み、臥龍廊や庭園を巡る順番がおすすめである。通常なら60〜90分ほどを目安とし、秋の混雑期にはさらに余裕を持ちたい。南禅寺や哲学の道と組み合わせると、東山の寺院文化を歩いてたどれる。
拝観・行き方
- 拝観・開館時間
- 通常拝観9:00〜17:00、受付終了16:00。秋の寺宝展期間は別案内
- 休み
- 通常拝観は年中無休。ただし諸行事による一部堂宇の拝観休止あり
- 料金
- 通常拝観:一般1,000円、大学・専門学校生800円、中学・高校生600円、小学生200円。30名以上の団体割引あり
- 行き方
- 京都市左京区永観堂町48、南禅寺の北側に所在
- 住所
- 京都府京都市左京区永観堂町48
- 最寄り駅
- 蹴上駅
2026-10-28に公式の案内で確かめた内容。変わることがあるので、行く前に公式ページで確かめて。
出典:永観堂 拝観のご案内、永観堂 お知らせ・拝観料改定、永観堂 拝観のご案内(モバイル版)
阿弥陀如来は、なぜ後ろを振り返っているのか?
永観堂の始まりは仁寿3年(853)、空海の弟子である真紹が藤原関雄の山荘を寺院に改めたことにある。貞観5年(863)には清和天皇から『禅林寺』の勅額を受け、国家を守る仏教の道場となった。当初は真言密教の寺院であり、僧侶を育てる修行道場として発展した。後に第7世の永観律師の働きによって、寺の性格は大きく変わっていく。
永観は念仏の実践と貧しい人々の救済を重んじた僧である。永保2年(1082)、永観が阿弥陀如来の周囲を歩きながら念仏を唱えていると、阿弥陀像が壇から降りて先を歩き、振り返ったという伝承が残る。この出来事と結びつけられるのが、顔を左へ向けた本尊『みかえり阿弥陀』である。永観は寺内に施療所も設け、信仰を日々の救済につなげた。
鎌倉時代には法然の教えを受け継ぐ僧侶たちによって浄土教の寺院となり、後に浄土宗西山禅林寺派の根本道場となった。応仁の乱で伽藍は焼失したが、朝廷の援助を受けて再建された。現在も阿弥陀堂に安置される本尊は、後ろに残る人へ目を向ける仏の慈悲を象徴している。だから阿弥陀堂では、仏像が向ける視線の先を見てほしい。
昔、このあたりは何だった?
現在の永観堂がある東山の麓は、平安時代には貴族の山荘が置かれる静かな土地だった。藤原関雄はこの地に別荘を持ち、仁寿3年(853)、真紹がその故居を譲り受けて寺院の敷地とした。平安京の市街から東山へ入る場所は、俗世の暮らしから離れて仏教修行を行うのに適していた。寺の周囲の山林は、のちに紅葉の名所として親しまれることになる。
鎌倉時代には禅林寺の南側に後嵯峨院が離宮『禅林寺殿』を設けた。亀山法皇はその離宮を改め、正応4年(1291)に南禅寺を開創する。つまり永観堂と南禅寺は、単に隣り合う観光名所ではなく、皇室の離宮と仏教寺院の歴史を共有する土地なのである。だから永観堂から南禅寺へ歩くときは、二つの寺を隔てる東山の地形とそのつながりを見てほしい。
意外と知られていない見どころ
- みかえり阿弥陀
- 顔を左後方へ向けた珍しい阿弥陀如来像。永観律師の念仏にまつわる伝承があり、慈悲深く振り返る姿で知られる。
- 臥龍廊
- 山の斜面に沿って造られた廊下。龍が伏せているような形から名づけられ、建物と山の地形をつなぐ。
- 多宝塔
- 昭和3年(1928)に完成した塔。境内の高い位置にあり、東山の風景とともに永観堂の伽藍を望める。
- 山越阿弥陀図
- 寺に伝わる国宝の仏画。山の向こうから阿弥陀如来が現れる情景を描き、浄土信仰の世界観を伝える。
- 薬王院の歴史
- 永観律師は承徳元年(1097)に薬王院を設け、施療所を開いた。念仏だけでなく病者の救済にも取り組んだことを伝える。
出典:永観堂 永観堂略史、永観堂 年表、京都市公式 京都観光Navi 永観堂
季節の見どころ
- 春
- 東山の新緑と庭園を楽しめる。
- 夏
- 諸堂と庭園を通常拝観できる。
- 秋
- 紅葉の名所として知られ、秋には寺宝展が開催される。寺宝展期間は通常拝観と異なる案内となる。
- 冬
- 落葉後は建物の輪郭や山の斜面が見通しやすくなる。
行く前に知っておくこと
- 通常拝観料は2026年4月1日に改定された。
- 秋の寺宝展期間は料金・拝観動線が通常時と異なる。
- 秋の寺宝展期間の11月11日〜12月6日は臥龍廊の通行と千佛堂の拝観が制限される。
- 一脚・三脚の使用は禁止。堂内文化財の撮影も禁止されている。
- ペットの同伴、境内での飲食・喫煙は禁止されている。
近くでいまやっている催し
10/3(土)〜12/6(日) 10:00〜18:00
スタジオジブリ作品を通じて禅の思想に触れる体感型展覧会。10月31日から予約優先制。11月1日以降、一部を除く土日祝日は9:00開館。
くわしく見る →
よくある質問
- 永観堂(禅林寺)はどんな所?
- 紅葉の名所として知られる永観堂は、正面を向かず左後ろを振り返る『みかえり阿弥陀』を本尊とする寺である。正式名称は聖衆来迎山無量寿院禅林寺。平安時代に真言密教の寺として始まり、念仏を広めた永観律師の名によって永観堂と呼ばれるようになった。
- 永観堂(禅林寺)の拝観・開館時間は?
- 通常拝観9:00〜17:00、受付終了16:00。秋の寺宝展期間は別案内
- 永観堂(禅林寺)の休みは?
- 通常拝観は年中無休。ただし諸行事による一部堂宇の拝観休止あり
- 永観堂(禅林寺)の料金は?
- 通常拝観:一般1,000円、大学・専門学校生800円、中学・高校生600円、小学生200円。30名以上の団体割引あり
- 永観堂(禅林寺)の行き方は?
- 京都市左京区永観堂町48、南禅寺の北側に所在


