京都の寺・洛西・大原野
善峯寺ガイド

善峯寺は、京都西山の山腹に広がる西国三十三所観音霊場の第二十番札所である。境内には横へ長く枝を伸ばした国の天然記念物『遊龍の松』があり、京都市内を見渡せる景色と季節の花で知られる。応仁の乱で荒廃した寺を復興したのは、徳川綱吉の生母・桂昌院だった。
キョウチカの見立て
山門から観音堂、多宝塔、遊龍の松へ進み、眺望のよい場所で京都市街を見渡す巡り方がおすすめである。山腹に広がる境内は坂や階段が多いため、90〜120分程度を見込んで無理なく歩きたい。近隣の三鈷寺や大原野神社方面と組み合わせる場合は、移動時間を十分に確保したい。
拝観・行き方
- 拝観・開館時間
- 土曜・日曜・祝日8:00〜17:00、平日8:30〜17:00。受付終了16:45。正月三が日は土日祝日に準じる
- 料金
- 大人500円、高校生300円、小・中学生200円。団体割引なし
- 予約
- 通常拝観は予約不要。団体参拝は事前連絡を推奨。元旦早朝開門時のバス団体は予約制
- 行き方
- JR京都線「向日町」駅からタクシー約15〜20分。阪急バス63系統「灰方」下車、徒歩約43分。阪急バス66系統の善峯寺行きは2025年5月31日で廃止
- 住所
- 京都府京都市西京区大原野小塩町1372
- 最寄り駅
- 向日町駅
2026-10-28に公式の案内で確かめた内容。変わることがあるので、行く前に公式ページで確かめて。
出典:善峯寺 拝観のご案内、善峯寺 交通・アクセス、京都府観光連盟 善峯寺、京都市公式 京都観光Navi 善峯寺
山の中腹の大寺院は、なぜ桂昌院によって復興されたのか?
善峯寺は長元2年(1029)、源算上人が西山の霊地に入って小堂を建て、自作の千手観音を祀ったことに始まる。源算は比叡山横川の源信に学んだ僧である。長元7年(1034)には後一条天皇から鎮護国家の勅願所とされ、『良峯寺』の寺号を賜った。建久3年(1192)、後鳥羽天皇から『善峯寺』の勅額が下賜されたと伝わる。
平安時代末期から鎌倉時代にかけて、善峯寺は多くの皇族や高僧の信仰を集めた。慈鎮和尚や浄土宗西山派の祖・証空もこの山に関わり、最盛期には52の僧坊が並んでいた。しかし応仁の乱で大半の伽藍が焼失し、寺は長く衰退する。
江戸時代に寺の復興を支えたのが、徳川五代将軍綱吉の生母・桂昌院である。桂昌院は善峯寺の観音への信仰が厚く、鐘楼、観音堂、護摩堂、薬師堂などの再建や寺宝の寄進に尽力した。現在の境内には、その復興期に整えられた建物が残る。だから山門から観音堂へ進むときは、平安時代の創建と江戸時代の再興という二つの歴史を見てほしい。
昔、このあたりは何だった?
大原野の西山は、平安京の西側に連なる山地であり、古くから山岳信仰と仏教修行の場だった。善峯寺を開いた源算上人も、霊地を求めて山へ入り、この地を修行の場所に選んだと伝わる。寺が栄えた時代には南尾の法華院、中尾の蓮華寿院、北尾の往生院を中心に多数の僧坊が建ち、山の斜面全体が宗教的な空間となっていた。
応仁の乱によって大半の堂宇が失われた後、江戸時代には桂昌院らの援助で復興した。山内の寺院施設は明治時代の神仏分離を経て整理され、現在の境内へ受け継がれている。現在の北尾は三鈷寺の境内地となり、証空上人ゆかりの往生院旧跡が残る。だから善峯寺の坂道を歩くときは、離れた堂宇の間にもかつて僧坊が並んでいた山の広がりを見てほしい。
意外と知られていない見どころ
- 遊龍の松
- 樹齢600年以上の五葉松。幹を横へ約37メートル伸ばし、地を這う龍のように見えることから名づけられた国の天然記念物である。
- 桂昌院ゆかりの堂宇
- 徳川綱吉の生母・桂昌院が復興に尽力した観音堂、鐘楼、護摩堂、薬師堂など。江戸時代の再興の歴史を伝える。
- 多宝塔
- 江戸時代の建築で国の重要文化財。山腹の伽藍の中で、善峯寺の長い仏教建築の歴史を伝える建物である。
- 善峯坐禅石
- 源算上人が開山の際、この岩の上で坐禅をして魔障を退散させたという伝説が残る。山麓から仁王門へ向かう参道にある。
- 文殊寺宝館
- 桂昌院ゆかりの品々や仏像、絵画などの寺宝を収蔵する施設。企画展では寺に伝わる古文書なども紹介される。
出典:善峯寺のご案内、善峯寺の歴史、京都市公式 京都観光Navi 善峯寺、善峯寺 文殊寺宝館
季節の見どころ
- 春
- 例年4月上旬〜中旬に約500本の桜が見頃を迎える。彼岸桜、山桜、枝垂れ桜などが咲く。
- 夏
- あじさいが見どころ。山の緑とともに西山の季節を楽しめる。
- 秋
- 秋明菊は例年9月下旬〜10月、紅葉は例年11月中旬〜下旬が見頃と案内されている。
- 冬
- 元旦は天候がよい場合、初日の出に合わせた早朝開門が行われる。
行く前に知っておくこと
- 2025年5月31日で阪急バス66系統の善峯寺行きが廃止された。旧案内にある『善峯寺バス停から徒歩8分』は現在の経路として使えない。
- 山腹に位置して坂道や石段が多く、車椅子での境内全域の拝観は困難と公式サイトが案内している。
- 境内での飲食は禁止されている。
- 11月10日〜30日の土日祝日は三脚・一脚の使用は禁止されている。
- ペットはリードをつなぐなどして同伴できるが、堂内および外縁回廊への立入りは禁止されている。
よくある質問
- 善峯寺はどんな所?
- 善峯寺は、京都西山の山腹に広がる西国三十三所観音霊場の第二十番札所である。境内には横へ長く枝を伸ばした国の天然記念物『遊龍の松』があり、京都市内を見渡せる景色と季節の花で知られる。応仁の乱で荒廃した寺を復興したのは、徳川綱吉の生母・桂昌院だった。
- 善峯寺の拝観・開館時間は?
- 土曜・日曜・祝日8:00〜17:00、平日8:30〜17:00。受付終了16:45。正月三が日は土日祝日に準じる
- 善峯寺の料金は?
- 大人500円、高校生300円、小・中学生200円。団体割引なし
- 善峯寺の予約は?
- 通常拝観は予約不要。団体参拝は事前連絡を推奨。元旦早朝開門時のバス団体は予約制
- 善峯寺の行き方は?
- JR京都線「向日町」駅からタクシー約15〜20分。阪急バス63系統「灰方」下車、徒歩約43分。阪急バス66系統の善峯寺行きは2025年5月31日で廃止