京都の寺・京都駅・東寺
東寺(教王護国寺)ガイド

京都駅の近くにそびえる五重塔は、高さ約55メートル、日本で最も高い木造五重塔である。だが東寺の本当の中心は、弘法大師空海が仏像を立体的な曼荼羅として配置した講堂にある。平安京の国家寺院から真言密教の根本道場へと変わった、日本仏教の転換点を歩ける場所だ。
キョウチカの見立て
金堂、講堂、五重塔を中心に回れば30分〜1時間、観智院や宝物館まで見るなら1〜2時間が目安である。京都駅から徒歩で向かい、南側から伽藍を眺めてから講堂へ進むと、国家寺院と密教寺院の二つの顔を感じやすい。
拝観・行き方
- 拝観・開館時間
- 開門5:00〜17:00。金堂・講堂8:00〜17:00(受付16:30まで)。観智院9:00〜17:00(受付16:30まで)。宝物館は春・秋の公開期間のみ9:00〜17:00
- 休み
- 金堂・講堂は通年公開。宝物館・五重塔初層内部は特別公開期間のみ
- 料金
- 金堂・講堂:大人800円、高校生400円、中学生以下300円。観智院:大人600円、高校生以下300円。2026年9月20日〜10月30日は金堂・講堂、観智院、宝物館の共通券が大人1,500円、高校生以下500円。10月31日〜11月25日は五重塔初層、金堂・講堂、観智院、宝物館の共通券が大人2,000円、高校生以下800円
- 行き方
- 近鉄東寺駅から徒歩10分。JR京都駅八条口から徒歩15分
- 住所
- 京都府京都市南区九条町1
- 最寄り駅
- 東寺駅
2026-10-28に公式の案内で確かめた内容。変わることがあるので、行く前に公式ページで確かめて。
出典:東寺公式・拝観案内、東寺公式・交通案内、東寺公式・よくある質問
東寺はなぜ平安京の南の入口に建てられたのか?
794年、桓武天皇が平安京へ都を移した。都の正門である羅城門の東西に国家を守る官寺を置く計画が進められ、その東側に建てられたのが東寺である。西側には西寺も設けられたが、東寺は現在まで寺院として存続した。南の入口に壮大な寺を置くことは、新しい都が仏教の力によって守られるという国家の意思表示でもあった。
823年、嵯峨天皇は唐で密教を学んで帰国した空海に東寺を託した。空海は講堂を中心に、経典に描かれた曼荼羅の世界を仏像の配置で表そうとした。大日如来を宇宙の中心に据え、如来、菩薩、明王、天部を組み合わせた立体曼荼羅である。講堂の工事は823年に始まり、839年に完成した。
東寺は火災に何度も見舞われた。講堂は1486年に焼失し、1491年に再建。五重塔も落雷などで四度失われ、現在の塔は徳川家光の時代、1644年に建てられた五代目である。塔の高さだけを見れば京都の象徴だが、仏教思想を建築と彫刻で表現した核心は講堂にある。だから五重塔を写真に収めた後は、講堂中央の大日如来と周囲の仏像の配置を見てほしい。
昔、このあたりは都のどんな場所だった?
東寺の周辺は、平安京の南端に当たる。かつては羅城門から北へ朱雀大路が延び、その先に都の中心である大内裏があった。東寺と西寺は羅城門を挟むように配置された国家寺院であり、この一帯は都に入る人々が最初に目にする、王朝国家の威容を示す場所だった。現在の京都駅周辺のにぎわいからは想像しにくいが、都の玄関口はもっと南にあったのである。
空海が東寺を任されると、周辺は真言密教の中心地として新しい役割を得た。塔の建設には大きな材木と多数の人手が必要で、826年には空海自身が朝廷に材木運搬の協力を求めた記録が残る。以後も寺は権力者の支援を受けて再建を重ねた。今日の境内には、平安京を守る国家寺院と、空海の密教寺院という二つの歴史が重なっている。だから南大門から金堂、講堂へと歩き、都の入口から仏教の中心へ進む空間の構成を見てほしい。
意外と知られていない見どころ
- 講堂の立体曼荼羅
- 大日如来を中心に仏像を配置し、密教の宇宙観を立体的に表した空間。平面的な曼荼羅とは異なり、実際に仏像の間を移動しながら理解できる。
- 五重塔の心柱
- 塔の中央を貫く心柱は大日如来に見立てられ、その周囲に如来や菩薩が配置されている。初層内部は特別公開の時期に限って拝観できる。
- 講堂須弥壇の焼け跡
- 2000年の修理で須弥壇の下から薄い木を焼いた痕跡が見つかった。空海が鎮壇のために護摩を焚いた跡ではないかとも考えられている。
- 観智院
- 金堂や講堂とは別に拝観できる塔頭寺院。通年公開されており、東寺の大伽藍だけでは触れられない寺院文化を知る場所となる。
季節の見どころ
- 春
- 夜桜ライトアップや宝物館の春期特別公開が行われる。五重塔初層も春の特別公開期間に拝観できる
- 夏
- 金堂・講堂と観智院の通常拝観が行われる
- 秋
- 宝物館の特別公開、五重塔初層特別公開、紅葉ライトアップと金堂・講堂の夜間特別拝観が行われる
- 冬
- 通常拝観に加え、年始には五重塔初層の特別公開が行われる場合がある
行く前に知っておくこと
- 五重塔の内部は通年公開ではない。特別公開日程を公式サイトで確認すること。
- 御影堂や食堂などは無料でお参りできる。
- 毎月21日は弘法市が開かれ、境内駐車場は利用できない。
- 宝物館と五重塔初層の公開期間には、通常期と拝観料金が異なる。
よくある質問
- 東寺(教王護国寺)はどんな所?
- 京都駅の近くにそびえる五重塔は、高さ約55メートル、日本で最も高い木造五重塔である。だが東寺の本当の中心は、弘法大師空海が仏像を立体的な曼荼羅として配置した講堂にある。平安京の国家寺院から真言密教の根本道場へと変わった、日本仏教の転換点を歩ける場所だ。
- 東寺(教王護国寺)の拝観・開館時間は?
- 開門5:00〜17:00。金堂・講堂8:00〜17:00(受付16:30まで)。観智院9:00〜17:00(受付16:30まで)。宝物館は春・秋の公開期間のみ9:00〜17:00
- 東寺(教王護国寺)の休みは?
- 金堂・講堂は通年公開。宝物館・五重塔初層内部は特別公開期間のみ
- 東寺(教王護国寺)の料金は?
- 金堂・講堂:大人800円、高校生400円、中学生以下300円。観智院:大人600円、高校生以下300円。2026年9月20日〜10月30日は金堂・講堂、観智院、宝物館の共通券が大人1,500円、高校生以下500円。10月31日〜11月25日は五重塔初層、金堂・講堂、観智院、宝物館の共通券が大人2,000円、高校生以下800円
- 東寺(教王護国寺)の行き方は?
- 近鉄東寺駅から徒歩10分。JR京都駅八条口から徒歩15分