京都の庭園・岡崎・左京
修学院離宮ガイド

修学院離宮は、後水尾上皇が1655年から造営した、山腹の地形そのものを利用した壮大な山荘である。上離宮、中離宮、下離宮が松並木と田畑を挟んで配置され、敷地全体は約54万平方メートルに及ぶ。山上の浴龍池からは京都の市街地と周囲の山々を望むことができ、借景を極限まで広げた庭園として知られる。
キョウチカの見立て
修学院離宮は上・中・下の三つの離宮を宮内庁の案内に従って歩くため、通常の庭園よりも移動距離が長い。歩きやすい靴で訪れ、特に下離宮から上離宮へ向かう間の田畑と山並みに目を向けたい。庭園内部だけでなく、風景全体を設計した後水尾上皇の発想が伝わってくる。
拝観・行き方
- 参観時間
- 宮内庁の案内付き参観。当日受付枠の参観開始時刻は9:00、10:00、11:00、13:30、15:00。7月・8月は原則9:00、10:00、15:00を中心に実施。参観日と空き状況は公式カレンダーで確認
- 休み
- 月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、12月28日〜1月4日、宮内庁の行事などにより支障のある日
- 料金
- 無料
- 予約
- 事前申込または当日申込。事前申込は宮内庁のオンライン、郵送、京都事務所窓口で受け付ける。当日申込は修学院離宮の入口で8:40から先着順に時間指定の整理券を配布。当日受付の基本定員は1日50名で、各回10名。申込は代表者を含め4名まで。代理申込不可。18歳以上が対象
- 行き方
- 叡山電鉄修学院駅から徒歩約20分。市バス「修学院離宮道」下車、徒歩約15分
- 住所
- 京都府京都市左京区修学院藪添
- 最寄り駅
- 修学院駅
2026-10-28に公式の案内で確かめた内容。変わることがあるので、行く前に公式ページで確かめて。
出典:宮内庁・修学院離宮、宮内庁・修学院離宮参観要領、宮内庁・修学院離宮参観ページ、宮内庁・参観案内
後水尾上皇はなぜ山全体を庭にしたのか?
後水尾天皇は1629年に譲位して上皇となり、京都で和歌や書画、茶の湯などの宮廷文化を育んだ。幕府との政治的な緊張を経験した上皇にとって、文化活動は重要な生活の一部だった。仙洞御所の造営に続き、理想の山荘を求めて比叡山南西麓の修学院を選んだ。1655年から造営を始め、1659年には完成披露が行われた。
修学院離宮は当初、下離宮と上離宮から構成されていた。下離宮には寿月観などが置かれ、上離宮には大規模な池泉回遊式庭園が造られた。中心となる浴龍池は、山腹に堰堤を築いて水をためた人工池であり、土木技術を駆使した壮大な庭園である。池の周囲には隣雲亭や窮邃亭などの御茶屋が置かれ、山上の風景を楽しむための空間が整えられた。
中離宮は、後水尾上皇の第八皇女・光子内親王のための山荘を起源とする。後に林丘寺となり、1885年に一部が宮内省へ返還されて離宮に組み込まれた。修学院離宮では建物だけでなく、松並木、田畑、山々まで庭園の景色として扱われている。後水尾上皇の理想は、囲われた庭ではなく自然全体を楽しむ山荘だった。だから上離宮の高台に立ったら、浴龍池だけでなく、その向こうに広がる京都盆地と山並みを見てほしい。
昔、比叡山のふもとの田畑はなぜ皇室の庭になった?
修学院離宮が建つのは、比叡山の南西麓、雲母坂に近い土地である。雲母坂は古くから京都と比叡山を結ぶ道として知られ、山裾には集落と田畑が広がっていた。後水尾上皇は1655年、この地形を生かして離宮の造営を始めた。上離宮と下離宮の間に広がる田畑を埋め立てず、離宮の景色をつなぐ空間として取り込んだことが大きな特徴である。
上離宮の浴龍池は人工の堰堤を築いて造られたが、麓から見るとその堰堤は大刈込みと呼ばれる植栽に包まれ、周囲の田園と調和している。池を高い位置に置くことで、京都盆地や遠くの山々までを借景に取り込んだ。中離宮には光子内親王の山荘の建物が残り、後水尾上皇の家族の暮らしも伝わる。現在も敷地内の田畑は景観を守るため維持されている。だから下離宮から上離宮へ歩くときは、庭の外に見える田畑まで含めた風景を見てほしい。
意外と知られていない見どころ
- 浴龍池
- 上離宮の中心となる人工池。池の島を龍の背に見立てた名で、後水尾上皇はここで舟遊びを楽しんだ。
- 隣雲亭からの眺望
- 上離宮の高台に建つ御茶屋。眼下の浴龍池だけでなく、京都市街地と周囲の山々を見渡すことができる。
- 窮邃亭
- 浴龍池の中島の高台に建つ御茶屋で、創建当初から残る建物。三方の窓を開けると庭園を広く眺められる。
- 中離宮の霞棚
- 客殿にある複雑な形の飾り棚。桂離宮の桂棚、醍醐寺三宝院の醍醐棚とともに天下三棚と呼ばれる。
- 山鉾を描いた杉戸
- 中離宮の客殿と楽只軒を結ぶ部分には、祇園祭の岩戸山、放下鉾、船鉾を描いた杉戸絵がある。現在の展示は模写で、原本は保存されている。
季節の見どころ
- 春
- 庭園の若葉と山麓の田園風景を楽しめる
- 夏
- 浴龍池の水面と濃い緑が重なる。7月・8月は熱中症対策による参観時間の調整がある
- 秋
- 上離宮の紅葉と浴龍池周辺の景観を楽しめる
- 冬
- 落葉後の山並みや御茶屋の姿を眺めやすくなる
行く前に知っておくこと
- 無料だが事前申込または当日整理券が必要。整理券は8:40から先着順で配布される。
- 参観できるのは18歳以上。18歳未満は乳幼児を含め同伴できない。
- 敷地が広く、砂利道、坂、階段を歩くため、歩きやすい靴が必要。
- 参観は宮内庁職員の案内に従って指定順路を歩く形式である。
- 当日受付は基本定員が1日50名で、事前申込枠の空きが加算される場合がある。
よくある質問
- 修学院離宮はどんな所?
- 修学院離宮は、後水尾上皇が1655年から造営した、山腹の地形そのものを利用した壮大な山荘である。上離宮、中離宮、下離宮が松並木と田畑を挟んで配置され、敷地全体は約54万平方メートルに及ぶ。山上の浴龍池からは京都の市街地と周囲の山々を望むことができ、借景を極限まで広げた庭園として知られる。
- 修学院離宮の参観時間は?
- 宮内庁の案内付き参観。当日受付枠の参観開始時刻は9:00、10:00、11:00、13:30、15:00。7月・8月は原則9:00、10:00、15:00を中心に実施。参観日と空き状況は公式カレンダーで確認
- 修学院離宮の休みは?
- 月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、12月28日〜1月4日、宮内庁の行事などにより支障のある日
- 修学院離宮の料金は?
- 無料
- 修学院離宮の予約は?
- 事前申込または当日申込。事前申込は宮内庁のオンライン、郵送、京都事務所窓口で受け付ける。当日申込は修学院離宮の入口で8:40から先着順に時間指定の整理券を配布。当日受付の基本定員は1日50名で、各回10名。申込は代表者を含め4名まで。代理申込不可。18歳以上が対象
- 修学院離宮の行き方は?
- 叡山電鉄修学院駅から徒歩約20分。市バス「修学院離宮道」下車、徒歩約15分