京都の窯元・山科
清水焼の郷会館ガイド
清水焼の郷会館がある山科の清水焼団地は、窯元、絵付け師、陶磁器問屋、原材料業者が集まる焼き物の町である。1962年、東山の窯業地から移転して形成された産地で、会館では現代の京焼・清水焼を展示販売する。観光用に再現した工芸村ではなく、職人たちが仕事を続ける場所だ。
キョウチカの見立て
会館の展示を見てから、公式の散策マップで訪問できる窯元を探す回り方がよい。展示だけなら30分程度、予約した体験や工房見学を組み合わせるなら半日ほどを見込む。清水焼が観光商品である以前に、今も続く産業であることを実感できる場所だ。
拝観・行き方
- 開館時間
- 9:00〜17:00
- 休み
- 土曜日・日曜日・祝日、お盆、年末年始。臨時休館の場合あり
- 料金
- 展示見学無料。陶芸体験は有料で、料金は内容により異なる
- 予約
- 清水焼団地内の手びねり・絵付けなどの陶芸体験は予約が必要。工房見学は各窯元へ確認
- 行き方
- 各線山科駅から京阪バス29・29C系統「清水焼団地」下車、徒歩約2分
- 住所
- 京都府京都市山科区川田清水焼団地町10-2
- 最寄り駅
- 山科駅
2026-10-28に公式の案内で確かめた内容。変わることがあるので、行く前に公式ページで確かめて。
出典:清水焼団地協同組合公式、京都府観光連盟・清水焼の郷会館、京都市公式・清水焼の郷会館、清水焼の郷会館・展示場臨時休館のお知らせ
清水焼の職人たちはなぜ東山から山科へ移ったのか?
京都の陶器づくりは江戸時代に大きく発展した。野々村仁清は御室に窯を開き、色絵陶器の名工として知られるようになった。弟子の尾形乾山は兄の尾形光琳と協力し、絵画と陶芸を結びつけた。東山の清水寺周辺でも窯が増え、五条坂は京都を代表する陶磁器の生産地となった。京焼・清水焼には特定の土や技法だけに限られない、京都の文化に応じて新しい意匠を生み出す伝統がある。
明治時代になると、海外輸出や産業技術の発展に伴って陶磁器生産が変化した。1896年には五条坂に京都市立陶磁器試験場が設けられ、原料や釉薬、窯の研究が進められた。一方、近代都市の中で窯を焚き続けることには課題も生じた。住宅地の広がりや煙の問題に対応し、窯元や関連事業者は新たな生産環境を必要とした。
1962年、東山区から山科区の新大石道地区への移転によって清水焼団地が形成された。清水焼の郷会館は、その産地を紹介する展示販売の拠点である。周辺には窯元だけでなく、卸問屋や陶磁器に関わる職人も集まる。清水焼は一人の陶芸家が器を作るだけでは成り立たず、多くの専門家に支えられている。だから会館の展示だけでなく、周辺に並ぶ工房や問屋の建物を見てほしい。
昔、このあたりは陶器の町ではなかった?
現在の清水焼団地は、古くから窯元が集中していた土地ではない。京焼・清水焼の主要な窯場は、江戸時代には清水寺周辺、五条坂、粟田口など東山の山麓にあった。五条坂では18世紀後半に磁器づくりの技術が広まり、幕末には登り窯が増えた。器を作る職人たちは、窯に燃料を供給し、焼成を管理し、問屋を通じて京都の町や各地へ作品を送り出していた。
昭和時代になると、東山の窯場を取り巻く都市環境が変わった。1962年、窯業の合理化と煙公害の改善を目的として、山科に清水焼団地が形成された。新しい団地には陶工だけでなく、材料や販売に関わる事業者も集まった。観光客が歩く五条坂と、実際に産業を支える山科の工房群は、同じ京焼・清水焼の歴史でつながっている。だからこの町を歩くときは、展示された器だけでなく、その制作を支える仕事の集まりを見てほしい。
意外と知られていない見どころ
- 窯元と関連業者が集まる町
- 窯元だけでなく、陶磁器の原材料業者や卸問屋などが集まる。焼き物が完成して流通するまでの産業全体を知ることができる。
- 手びねり・絵付け体験
- 清水焼団地内では、粘土から器を作る手びねりや、素地に絵を描く体験が案内されている。いずれも予約が必要である。
- 産地の展示販売
- 会館では京焼・清水焼の作家や窯元の手作り作品を常設展示・販売する。日常食器と作家作品を見比べられる。
- 清水焼の郷散策MAP
- 協同組合公式サイトには工房やショップを探せる散策マップがある。窯元ごとの商品や見学条件を調べる際に役立つ。
- 清水焼の郷まつり
- 毎年10月第3金曜日から日曜日に開催される産地の陶器市。窯元や作家の作品が集まり、通常とは異なる町のにぎわいを見せる。
出典:清水焼団地協同組合公式、京都府観光連盟・清水焼の郷会館
季節の見どころ
- 春
- 通常の展示販売と予約制の陶芸体験を利用できる
- 夏
- 通常の展示販売と陶芸体験。お盆期間の休館に注意
- 秋
- 10月第3金曜日から日曜日に清水焼の郷まつりが開催される
- 冬
- 通常の展示販売と陶芸体験。年末年始は休館する
行く前に知っておくこと
- 会館の展示見学は無料だが、陶芸体験は有料で予約が必要。
- 2026年10月19日〜20日には展示場の清掃による臨時休館が案内された。訪問前に公式のお知らせを確認したい。
- 京都市の案内ではクレジットカード対応あり、外国語対応なしとされている。
- 車椅子での見学が可能で、車椅子対応トイレもある。
- 窯元ごとに営業日や見学の条件が異なる。
よくある質問
- 清水焼の郷会館はどんな所?
- 清水焼の郷会館がある山科の清水焼団地は、窯元、絵付け師、陶磁器問屋、原材料業者が集まる焼き物の町である。1962年、東山の窯業地から移転して形成された産地で、会館では現代の京焼・清水焼を展示販売する。観光用に再現した工芸村ではなく、職人たちが仕事を続ける場所だ。
- 清水焼の郷会館の開館時間は?
- 9:00〜17:00
- 清水焼の郷会館の休みは?
- 土曜日・日曜日・祝日、お盆、年末年始。臨時休館の場合あり
- 清水焼の郷会館の料金は?
- 展示見学無料。陶芸体験は有料で、料金は内容により異なる
- 清水焼の郷会館の予約は?
- 清水焼団地内の手びねり・絵付けなどの陶芸体験は予約が必要。工房見学は各窯元へ確認
- 清水焼の郷会館の行き方は?
- 各線山科駅から京阪バス29・29C系統「清水焼団地」下車、徒歩約2分